欅坂46のパンクっぽくありながら上品な制服が好きなので、考察してみました。
・欅坂46の衣装には軍服やパンクファッションの意匠が多く組み込まれている
・坂道シリーズらしい上品さと荒々しいパンキッシュな要素の調和
・女の子や振付が綺麗に見えるシルエットやふわりと広がるスカートなどパターン(型紙)から上品に作られていて、軍服やパンクの要素は同じ色の布などで目立ちにくいように組み込まれているからでは。
制服タイプの衣装の動きが美しいと思うサイレントマジョリティーと二人セゾンのMVを載せておきます。
ぜひ衣装の動きに注目して見てみてください。
以下、概要になぞらえて書いていきます。
(けやき坂46、BiSHも含まれます。ご了承ください)
・欅坂46の衣装、特に制服には軍服、パラシュート、ボンデージ、ドクターマーチンなどのパンキッシュな要素がよく使われています。
例えばサイレントマジョリティーや二人セゾンでは、ナポレオンジャケットや軍服のようなボタンの配置やデザイン。
二人セゾンではトレンチコートやボレロのような意匠も組み込まれています。
風に吹かれても/No war in the Futureでは胴に×印のようについたベルトが特徴的なパラシュートジャケット。
黒い羊の制服ではトレンチコートとチェック柄。(トレンチコートタイプの制服は他の曲のときも見られます。)
9thの制服では袖元のベルトと金具、随所にみられるスナップボタン、ボンデージスカートのフラップ(エプロン)のような2段重ねのスカート、ドクターマーチンのブーツ。
けやき坂46の走り出す瞬間では、切りっぱなしのほつれたワンピース。
全体的にかっちりした印象のものが数多く使われています。
・そこで、ルーツのひとつであろうパンクファッションのことを。
パンクファッション。
抑圧や反骨精神を表現する。
両脚をつなげたベルトが特徴的なボンデージパンツ、ぼろぼろに加工したカットソーやタイツ、トゲトゲしたヘアスタイルやメイク、大量の安全ピンやリメイクに代表されるDIY精神。
また、SEXPISTOLSに代表されるシンプルで激しい音楽ジャンル。
その代表格としてヴィヴィアン・ウエストウッドがありますが、漫画NANAでも着ているキャラクターがたくさんいました。
・ところで、なぜそんな激しいモチーフを用いながら欅坂の衣装は坂道らしい上品さを保てているのでしょうか?
元ネタであるシド・ヴィシャスとパラシュートベルトという共通点のあるBiSHと先述の欅坂46の衣装を並べてみました。
印象がずいぶん違う。
ここにヒントがありそうです。
・欅坂ではパンクスの荒々しい要素をメインに据えるのではなく、スパイス的に組み込んでいるから坂道らしい上品さと共存できているのではないか?と考えました。
あくまで上品な衣装のスパイスとして、同じ布であまり目立たないように軍服の意匠やボンデージベルトが組み込まれています。
この場合襟や袖を白くし、スカートの下半分をフレアスカートのようにひらひらさせることで抜け感を作り出し、堅くなりすぎないようにかわいらしくしているのではないかと思います。
また、けやき坂46の走り出す瞬間ではBiSHなどのように切りっぱなしでほつれているものの、服の形やかわいらしい襟元はあまり変わらないため、坂道らしさがあるのだと思われます。
(このへんはまた後日。)
ちなみに、随所にみられるチェック柄は着物のように伝統的なデザインでもあり、坂道のお嬢様の制服というコンセプトに合います。
しっかりファッションの歴史を踏まえたデザインが多く、デザイナー尾内貴美香さんのバランス感覚に驚嘆します。
・これらのことを踏まえて、もう一度欅坂46の衣装やパフォーマンスを見てみるとよりおもしろくなるかもしれません。
今回は制服風に絞りましたが、アンビバレントなど衣装の動きが美しい曲はたくさんあります。
至らない点も多々ありますが、ルーツも考察してみるとなかなか楽しいよ、というお話でした。
読んでくださりありがとうございました。ではでは。